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「犬を迎えるなら、やっぱり子犬から育てたいな」
きっと多くの人が、最初はそう思うのではないでしょうか。ふわふわの毛並み、まんまるの目、よちよちとした歩き方――。自分の手で一から育てていく喜びは、きっとかけがえのないものだと思います。
でも、もし「成犬を迎える」という選択肢が、子犬育てとはまた違う、じんわりと心にしみるような幸せをくれるとしたら? しかもその出会いが、一頭の命を救うことにもつながるとしたら?
ペットショップのショーウィンドウの前で立ち止まる前に、少しだけこの記事を読んでみてください。保護犬のシェルターを訪れた方たちが、口をそろえておっしゃる言葉があります。「もっと早く知っていれば良かった」と。

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そもそも、ペットショップと保護犬シェルターって何が違うの?

犬を家族に迎えるルートは、大きく「ペットショップ・ブリーダー」と「保護犬シェルター・譲渡会」の2つがあります。何がどう違うのか、整理してみます。
ペットショップに並ぶ犬の多くは、繁殖業者から仕入れた子犬です。血統書つきの純血種が多く、成長後の体型や性格がある程度予測しやすいのが特徴のひとつ。一方で、いわゆる「パピーミル(子犬工場)」と呼ばれる劣悪な環境での大量繁殖が社会問題になっており、どのような環境で生まれた子なのか、なかなか見えにくいという側面もあります。費用は数十万円から、人気の犬種では百万円を超えることも少なくありません。
保護犬シェルターにいるのは、さまざまな事情で行き場を失った犬たちです。飼い主さんが亡くなった、お引越しで飼えなくなった、繁殖を引退したブリーダー犬、迷子になってしまった犬――。背景はさまざまですが、どの子も新しい家族との出会いを、静かに待っています。

アニフェア(anifare)のようなシェルターでは、保護された犬はまず「リコンディショニング」と呼ばれる丁寧なケアを受けます。管理獣医師の監督のもと、感染症検査、ワクチン接種、ノミ・ダニの処置、歯科チェック、マイクロチップの装着、トリミングまで——健康状態をしっかり整えてから、次の家族に引き渡しされます。「保護犬って衛生面が心配…」という声もよく聞きますが、信頼できる団体では、ペットショップ以上に丁寧な医療管理がなされていることも多いのです。

費用は団体によって異なるため、スタッフから話を聞いてみるとよいでしょう。「保護犬って無料でもらえるんじゃないの?」とよく聞かれるのですが、これは大きな誤解です。健康な命を次の家族へつなぐためには、それ相応のコストがかかります。その費用の中には、引き渡しまでの医療費・ケア費、ときには引き渡し後のアフターサポートもすべて含まれているのです。

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それでも正直に伝えたい、保護犬を迎えることの「デメリット」とは

温かいお話のなかに、デメリットの話を入れるの?と思われるかもしれません。でも、ここはきちんとお伝えしたいのです。なぜなら、後から「そんなこと聞いてなかった」と感じてほしくないから。保護犬との暮らしをより幸せにしてほしいから。
保護犬を迎えるにあたって、覚悟しておいた方がいいことがいくつかあります。

まず、過去のトラウマや癖が残っている場合があります。虐待や放棄を経験した子は、特定の状況や人に対して怯えてしまうことも。慣れるまでにじっくり時間がかかることもありますが、それもまた、その子との大切な歴史になっていきます。

次に、前の飼い主さんの情報が不明な場合、健康上の背景がわからないこともあります。遺伝的な病気のリスクが把握しにくいケースも。ただ、アニフェア(anifare)のように譲渡前に詳しい健康診断を行う団体では、こうした不安はかなり和らげられています。

また、純血種を希望される場合は、選択肢が狭まることもあります。ミックス犬が多いので、「絶対にトイプードルがいい!」という場合は、希望の子が来るまで少し待つことになるかもしれません。
こうしたデメリットの多くは、「信頼できる団体を選ぶこと」「ご家族でじっくり話し合うこと」で、かなりカバーできます。大切なのは、夢のような出会いだけを想い描くのではなく、現実もきちんと知ったうえで「それでも迎えたい」と思えるかどうか、ということだと思います。

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それでも、成犬を迎えた方々が語る「3つの思いがけない幸せ」

デメリットもちゃんと知ったうえで、それでも保護犬を——特に成犬を——迎えた方たちが、笑顔でお話ししてくださるのが、子犬育てとはまた違う、特別な喜びです。

① 「この人が家族だ」と伝わる瞬間の、あの目が忘れられない
子犬は、最初からまっすぐ飼い主さんに懐いてくれます。それはもう、無条件に愛おしいですよね。でも、成犬を迎えた方が語ってくださる感動は、少し違うんです。
「最初の一週間は、部屋の隅でじっとしていました。でもある朝、目が合った瞬間、しっぽをゆっくり振ってくれたんです。それだけで、泣いてしまいました」
人間と暮らすことを知っている成犬は、信頼することの重さも知っています。だからこそ、その信頼がほぐれていく瞬間の喜びは、ひとしお深いものがあります。「この子が、私を選んでくれた」——そんな感覚は、子犬育てとはまた違う、かけがえのない宝物になるはずです。

② 子犬育ての大変さから、少し解放されるかもしれません
夜泣き、トイレトレーニング、かみ癖、大好きなクッションをぼろぼろにされる日々……。子犬を育てることは、愛おしさと引き換えに、相当な体力と時間と、少しの忍耐力を必要とします。特に共働きのご夫婦や、お子さんの子育て中のご家庭には、想像以上にハードな日々になることも。
成犬の場合、基本的な生活習慣がすでに身についていることが多いです。トイレが上手な子、お散歩が大好きな子、落ち着いてお留守番ができる子——シェルターで実際の様子を見てからお迎えできるのも、大きな安心感につながります。
アニフェア(anifare)では、ドッグトレーナーの資格を持つスタッフが日々トレーニングを行っており、お迎え後の飼育相談アフターケアも整っています。「ちゃんと育てられるか自信がなくて……」という方こそ、成犬という選択肢は向いているかもしれません。

③ 「選んだ」ではなく、「出会えた」という感覚が残ります
ペットショップでは、犬を「選ぶ」感覚があります。サイズ、毛色、性格、金額——さまざまな条件を比べながら、まるでお買い物をするように。
でも、シェルターで保護犬と向き合うとき、そこには少し違う空気が流れています。目が合って、においを嗅ぎ合って、「この子だ」と思う瞬間がある。なんとなく、むこうにも選ばれた気がする。
家族になるという体験が、もっと「出会い」に近いのです。一頭の命のこれまでの歴史を受け取り、これからの歴史を一緒に作っていく。その感覚を知ってしまった方は、次もきっとシェルターに足を運ばれます。

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「助けてあげる」じゃない。「一緒に生きていく」仲間を探しに行きましょう

保護犬を迎えることは、「かわいそうな犬を救ってあげる」行為ではありません。人生を一緒に歩むパートナーを、探しに行くことだと思っています。
アニフェア(anifare)のシェルターは東京・大阪・福岡の5拠点で、毎日・毎週末に譲渡会を開催しています。難しい顔でじっくり審査されるような場所ではなく、犬たちと自由に触れ合える、明るく温かい空間です。東京お台場のシェルターは、アクアシティお台場というショッピングモールの中にあるので、おでかけのついでに気軽に立ち寄ることもできます。遠方にお住まいの方には、オンライン譲渡会やInstagramライブも開催されているので、お家にいながら犬たちの様子をのぞいてみることもできますよ。
まずは、会いに行くだけでいいんです。きっと、あなたのことを待っている子がいます。

Q. 審査はどのくらいの時間がかかりますか?難しい書類などは必要ですか?
A. 審査はシェルターでのスタッフとの会話の中で行われ、時間は20分前後、短い場合は10分程度です。難しい書類の提出や、長い待機期間があるわけではありません。住環境や家族構成、犬を迎える理由などを話しながら確認していく、対話形式のプロセスです。審査に進んだ方のうち7〜8割は通過しています。

Q. 一人暮らしや高齢者でも、審査に通ることはできますか? 
A.はい、可能です。一人暮らしであること、60代・70代であることは、それ単体では審査の障壁にはなりません。60歳以上の方には、健康状態の把握とかかりつけ獣医師を持つ意思があることを確認しています。70歳以上の単身者の場合は、万が一の際に犬を引き受けてくれる後見人の存在が条件になりますが、その条件を満たせば迎えることができます。不安な点はシェルター訪問時に正直に話していただくのが、一番の近道です。

Q. 審査に落ちるのはどんなケースですか? 
A. 審査の段階まで進んでから落ちるケースは少なく、多くは問い合わせや事前の会話の段階でミスマッチが判明するケースです。「子犬だけが欲しい」「保護犬なら無料のはず」といった認識のまま来られた方や、犬の終生飼育に向き合う意思が感じられない場合などは、丁重にお断りすることがあります。譲渡審査といっても「落とすための審査」ではなく、「お互いのミスマッチを防ぐための対話」という性質のものなのです。


「この記事が、誰かと1匹の運命を変えるきっかけになりますように。」