血統書付き(純血種)は本当にベスト? \

「保護犬を迎えてみたい。でも、正直どんな子がいるか想像がつかない」「できれば好きな犬種に出会いたいけど、保護犬施設にそういう子はいるの?」
——そんな気持ちで保護犬を迷う方は少なくありません。
実は保護犬施設には、純血種の犬たちがたくさん保護されています。その背景にはペット産業の構造的な問題があり、一概にハッピーな話とは言えないかもしれません。でも、「好きな犬種に出会いながら、保護犬という選択もできる」という現実を知ることは、ペットを迎えるすべての人にとって意味のある情報ではないでしょうか?
今回は純血種の犬を迎える魅力と注意点に加え、譲渡施設でも純血種の子が多い理由をご紹介します。

血統書付き(純血種)は本当にベスト? \

純血種の犬を迎えることの「良さ」

「チワワがかわいい!」「トイプードルは飼いやすいらしい」など、犬種を限定して飼いたい気持ちになる人は珍しくありません。そもそも犬種を限定する意味はあるのでしょうか?
純血種の犬とは、同じ犬種の両親から生まれた子犬を指します。性格や体格、顔つき、毛質など、両親の特徴を受け継ぐため、成犬になったときの姿を予想することができるのが大きな特徴のひとつ。予測されるサイズや活動レベルから被毛のタイプや気質にいたるまで、特定の品種の子犬を迎えるかどうかによって、新しい犬を迎えるための準備も変わってきますが、犬種の特徴を知っておくことで、被毛のケア方法や必要な運動量、性格の傾向などを事前に把握でき、適切な飼育計画を立てて愛犬に合った環境を用意できます。シングルコート(被毛が担当構造で抜け毛が少ない傾向)といった犬種の場合は、初めて犬を迎える方や、アレルギーがある方、小さな子どもや高齢者と同居する家庭にとって大きな目安となります。
環境やしつけの影響はありつつも、あまり吠えない、甘えん坊といった性格も、純血種であれば予測がしやすいです。
純血種の子犬が成犬になると、繁殖の専門家であるブリーダーが選択および実施した交配の結果が現れるため、身体的・行動的な特徴をほぼ予測できるのは、純血種の大きなメリットでしょう。
また、犬種、生年月日、両親や祖先の名前などを記載した証明書を「血統書」といい、日本では一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)が代表的な発行元となります。血統書はあくまでもブリーダーや出産させた飼い主が手続きをして発行するもののため、血統書がない(発行しない)純血種の犬も多数います。「血統書付き=純血種」というわけではないのです。

犬種によって予測しやすい特徴の例

  1. 吠えやすいか、吠え声は大きいか
  2. 幅広い人に甘えるタイプか、決まった人にのみ甘えるか
  3. 飼い主に従順・忠順か、それとも自分のニーズを優先するタイプかどうか
  4. 運動量の目安、活動レベル
  5. 毛質やケアの目安
  6. かかりやすい疾患

血統書によって判別・予測しやすい特徴

  1. 正確な生年月日
  2. ブリーダー情報
  3. 親や親戚のチャンピオン歴を含む、ルーツ
  4. 体格
  5. 毛色や毛質

血統書付き(純血種)は本当にベスト? \

人気犬種の特徴をちょこっと紹介

では、日本で人気の犬種はなんでしょうか?
ジャパンケネルクラブ(JKC)の2021年犬種別犬籍登録頭数によると、1位がトイプードル(83,221頭)、2位チワワ(51,837頭)、3位ダックスフンド(28,477頭)、4位ポメラニアン(19,832頭)、5位フレンチ・ブルドッグ(12,942頭)で、これらは保護施設でも多く見かける犬種です。

トイプードル
トイプードルは非常に聡明で、犬種の中でもトップクラスの知能を持つと言われています。理解力と順応性が高く、新しいルールやコマンドを短期間で吸収できるのが特徴です。明るく活発的、そして社交的な気質を併せ持っており、家族はもちろん、初対面の人やほかのワンちゃんにもフレンドリーに接する子が多い傾向です。
抜け毛が少ないシングルコートの巻き毛も特徴で、アレルギーが気になる方にも比較的向いているとされています。ただし定期的なトリミングが必要で、コストがかかることも念頭に置いておきましょう。

チワワ
世界最小の犬種といわれるチワワは、小さな体に大きな個性を持つ犬。飼い主に深い愛情を注ぎ、一人の人に強くなつく傾向があります。独立心もあり、好奇心旺盛。一方で警戒心が強く、慣れない環境では吠えることもあり、小さな身体でも、敵と見なすと勇敢に立ち向かっていく子も多いです。マンション暮らしでも飼いやすい小ぶりなサイズ感と、その強い個性が多くの人を魅了しています。

ミニチュアダックスフンド
胴長短足のユニークな体型が愛らしいミニチュアダックスフンドは、もともと穴を掘る猟犬や軍用犬として活躍してきた犬種です。好奇心が旺盛で活発、遊び好きな性格で、家族との時間をとても大切にします。ただし椎間板ヘルニアになりやすい体型のため、段差のある生活環境では注意が必要です。

ポメラニアン
ふわふわのダブルコートに覆われた、まるでぬいぐるみのような見た目が特徴のポメラニアン。活発で陽気、甘えん坊な性格で、飼い主への愛着が非常に強い犬種です。一方で警戒心も強く、無駄吠えが多くなることもあります。社会化を早めに進めることで、穏やかな子に育てやすくなります。

フレンチ・ブルドッグ
ぺちゃっとした顔とコウモリ耳が愛らしいフレンチ・ブルドッグは、穏やかで愛情深い性格で人気です。運動量が少なめでよく、比較的静かな犬種でもあります。ただし短頭種特有の呼吸器系トラブルに注意が必要で、夏の暑さや激しい運動には気をつけてあげる必要があります。

純血種の保護犬には出会える?

近年、譲渡団体で保護される中には純血種の犬も増えてきました。その理由や背景を以下にご紹介します。

繁殖引退犬の急増
改正動物愛護管理法により、ブリーダーには従業員1人あたりの飼育頭数(繁殖犬15頭まで)・繁殖回数(生涯6回まで)・交配年齢(6歳以下)の制限が設けられました。これにより、基準を超えた繁殖犬が「引退」を余儀なくされ、現在10万頭以上の繁殖引退犬がいるともいわれています。
ペットショップに並ぶ子犬たちの「お母さん」として繁殖に使われてきた純血種の成犬が、役割を終えると行き場を失うのです。

飼育放棄・飼い主の事情による引取り
さまざまな事情(飼い主の入院・死亡・引っ越し・経済的困窮など)で飼えなくなった犬の「引き取り・里親探し代行」も行う団体も存在し、アニフェアもそのひとつ。元ペットとして一般家庭で飼われていた純血種が、こうして保護犬として施設に入るケースも多くあります。

知っておきたい:「保護犬」の多様性
保護施設の犬には様々な背景があります。元ペット(飼育放棄)、迷子・遺棄犬、繁殖引退犬など、その経緯は一頭一頭異なります。
一部団体に対しては「繁殖産業と連携しているのではないか」「コストが高い」といった批判的な意見も存在するので、里親を検討する際は、その団体がどのような経緯で犬を受け入れているかを事前に確認し、納得したうえで判断することをおすすめします。

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保護犬の純血種を迎えるときに気をつけることは?

純血種の保護犬を迎えることは、一般的に「純血種=子犬からペットショップで」という選択とは少し異なる体験になります。
成犬や若い成犬として迎えることが多いため、性格や体のサイズが既にある程度わかっているというメリットがあります。子犬特有の夜鳴きや頻繁なトイレ失敗もなく、比較的落ち着いた状態から生活を始められるケースも多いです。
一方で、これまでの環境によって「人慣れしていない」「外の刺激に緊張する」などの特性を持つ子もいます。アニフェアでは「リコンディショニング(再適応)」という考え方のもと、社会化トレーニングや医療サポートを行ったうえで譲渡しています。
また、前の章でも触れたように、繁殖引退犬だった子はケージ生活が長く、散歩経験が少ない場合があります。焦らず、その子のペースに合わせて生活に慣らしていく「ゆっくりな関係づくり」が大切です。
「好きな犬種に出会いたい」という気持ちと「保護犬を迎えたい」という気持ちは、今の日本では両立できるようになってきています。
ペットショップで特定の犬種の子犬を衝動的に購入することは、大量繁殖・大量販売のサイクルを維持することにつながるリスクがあります。一方で、保護施設から迎えることは、その一頭の命を助けることでもありますし、間接的にペット産業への適切なプレッシャーにもなります。
もちろん、保護施設の構造や費用体系を含め、慎重に比較・検討することは大切です。「保護犬だから何でもいい」ではなく、「どこから、どんな子を、どんな準備で迎えるか」をしっかり考えることが、あなたとその子にとって最高のスタートになります。

Q1. 純血種の犬を迎えるメリットは何ですか?
A. 純血種の最大のメリットは「成犬になったときの体格・被毛・性格の傾向をある程度予測できること」です(みんなのブリーダー)。これにより飼育計画が立てやすく、必要なトリミングや運動量、かかりやすい病気なども事前に把握できます。一方で近親交配による遺伝病リスクもあるため、健康管理を意識した飼育が大切です。

Q2. なぜ純血種の保護犬が譲渡団体に保護されているのですか?
A. 主に2つの理由があります。
①改正動物愛護管理法(2024年完全施行)により飼育頭数に制限が設けられ、ブリーダーが手放さざるを得なくなった「繁殖引退犬」が施設に流れ込んでいること。
②飼い主の事情(入院・死亡・引っ越しなど)による引き取り・里親代行サービスを展開しており、一般家庭で飼われていた純血種が保護される仕組みがあること、です。

Q3. 純血種の保護犬を迎えるうえで注意することはありますか?
A. 繁殖引退犬として施設に来た子の場合、ケージでの生活が長く、散歩の経験がなかったり外の刺激に慣れていなかったりするケースがあります。また、元の飼い主との生活で特定のルーティンに慣れている場合もあります。「子犬と同じように接する」のではなく、その子のペースと歴史を尊重しながら少しずつ新しい生活に慣れてもらう心構えが大切です。

Q4. 純血種の保護犬に出会える場所はありますか?
A. あります。自治体の動物愛護センター(保健所)や、犬種専門の保護団体(例:「プードル専門保護団体」「柴犬専門」など)に問い合わせる方法があります。また、「ペットのおうち」「ジモティー」などの里親マッチングサイトでも犬種を指定して検索できます。特定の犬種へのこだわりがある方は、複数の選択肢を比較してみることをおすすめします。
いずれにしても、里親を検討する際は、団体の方針・受け入れ経緯・費用・サポート体制について自分でしっかり確認し、納得のうえで判断することをおすすめします。